大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)3144 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人秦野楠雄の上告趣意について。

しかし原判決が判示第二の事実を認定したのは所論のように被告人Aの自白のみ

によつたものでなく右自白を補強するに足るものと認められる第一審公判調書中の

Bの判示同旨の供述記載並びにCの司法警察官に対する聴取書中の供述記載及びD

提出の始末書中の記載等を綜合して事実を認定したものであることは原判決自体に

よつて明らかなところである。そしてそれ等の各証拠を綜合すれば優に判示犯罪事

実の認定を肯認することができるのである。されば所論違憲の主張は、その前提を

欠き採用できない。

被告人Eの弁護人中安甚五郎の上告趣意第一点について。

しかし、弁論を再開するか否か、証拠調その他審理の範囲、限度を定めることは、

原事実審裁判所の裁量に属するから、原審裁判所が弁論を再開せず、また、所論申

請の証人を採用しなかつたからといつて、違法であるとして上告はできないし、ま

た記録を精査しても審理不尽は認められない。それ故、論旨は採用できない。

同第二点について。

しかし原判決挙示の各証拠就中C、D提出の始末書中の各記載を綜合すれば本件

被害物件が肥料配給公団門司支部の所有であることその他原判示第一の事実認定を

肯認することができるのである。従つて本論旨も採用できない。

同第三点について。

しかし記録を精査しても原審において被告人が船長の身分を有するという理由だ

けで量刑上特に他の共犯者に比し差別的待遇をした形跡は発見し得ない。さすれば

所論違憲の主張はその前提を欠き失当であるといわなければならない。よつて論旨

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は理由がない。

よつて刑訴施行法二条、旧刑訴四四六条により主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 長谷川瀏関与

昭和二七年一二月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

沢田裁判官は退官につき署名捺印することができない。

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

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